【3週間の遭難から生還】ダムの水とマッシュルームで生き延びる
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オーストラリア・クイーンズランド州で18日間行方不明だった男性が24日、発見された。警察によると、男性はマッシュルームとダムの水で生き延びていたという。
行方不明になっていたのは、ロバート・ウェバーさん(58)。
捜索活動は打ち切られていたのだが、ダムの近くで発見された。ウェバーさんは「風雨にさらされていた」ものの、それ以外は大丈夫だと警察は説明した。
1万5千エーカーの牧場で遭難
ウェバーさんは、飼い犬と一緒にキルキーヴァンのパブから出て、家に帰る途中に姿が確認されていたのを最後に、目撃情報が途絶えていた。
実は、ウェバーさん、近道と思い、いつもは使わない知らない農道に行ってみたのです。そこには行き止まりの標識があったのは分かっていたが、なんとか行けるだろうとあえて通り抜けてみた、そして少し回り道をしたり、牧場のゲートをいくつか越えたりしているうちに、場所も分からなくなり、しかも、車が泥にはまってしまい動けなくなってしまったという。。。そして携帯のバッテリーは切れていた。
ウェバーさんがいたパブ、ここから家に帰ろうとした途中の出来事だった。
命の源の水探しと食料探し
最初の3日間は雨が降っていたので、車にたまった水を飲んでいた。トランクのところにあるくぼみにたまった水をボトルで汲んで飲んでいた。ウェバーさんは犬と一緒に車中で3日間過ごしたが、水が底をつき、水を探して徒歩で移動を始めた。
さらに災難は続き、その道中に岩場で足を踏み外て15m程滑ってケガをしてしまう。。。しかも、その時にマッチなど手に持っていたものをなくしてしまった。かろうじて持っていたのはナイフと水筒の持ち手だけだった。
背中は、切れたり、すりむけていたり、まだ痛かったが、なんとか水を見つけようと、歩いていた。
そうしているうちに水場をみつけたが、水場は2日もすると乾いてしまう為、次の水場を探さなければならなかった。
そして、食事はというと、道中にあるマッシュルームを食べていた。口の中で噛みながら水を含んで洗った。
歩き疲れて体力もなくなると牧場の中で寝てしまうが、2時間くらいしか寝られなかった。。。キャップを被って眠りに落ちると、アリが這い上がってくる。アリはとても凶暴で噛まれると、耳がちぎれそうなくらいだった。帽子についたアリの大群を払い落とすのを数時間ごとに繰り返した。
その後も帰る方向がわからないままさまよったが、最後の2週間はダムの近くにとどまっていた。
「地面で寝て、ダムの水を飲み、マッシュルームを食べて」生き延びたという。
連日30度を越える暑さで方角感覚も失い混乱もしてきて、犬ともはぐれてしまっていた。
その間にも、彼を上空から探しているヘリコプターを3度見た、中に緊急サービスのSESの隊員がいるのも見えて、手を降って助けを求めたが、気がついてもらえなかった。
水辺の木陰にいて、ヘリコピターの音が聞こえなくなった時、捜査が終わったと思い絶望を感じた。
とにかく打ちひしがれた。
目の前にいるのに!気づいてくれないパイロットの目をくりぬきたいくらいだった。
何度も希望を失いそうになりながらも、なんとかネガティヴな考えを打ち消してがんばろうとした。
捜査打ち切り後の発見
しかし、、、
陸上と上空から大規模な捜索が行われたが、ウェバーさんを見つけられないまま打ち切りとなった。
ウェバーさんの車だけは見つかっていたが、もうそこにはウェバーさんはいなかった。
捜索が打ち切られた後も、地元の人たちや警察は、ウェバーさんがいないか注意し続けるよう指示されていた。
そんな中、
地元議員トニー・ペレット氏夫妻が所有する牧場を捜索し続けていたところ、車が見つかった場所からわずか3キロの場所でウェバーさんを発見したという!!
「彼はダムの近くの木の下に座って、私たちに手を振っていた」
「私たちは先週、何度もこのダムの前を通っていた、生きているとしたら水がある場所だと思ったからだ。彼を見つけたときはかなり驚いた」
「ここは一見のどかで美しい景色に見えるけれど、起伏が激しく谷も多い土地で、いちど迷ったら戻るのはとても難しい」
と、ペレット氏は公共放送オーストラリア放送協会(ABC)に語った。
本人コメント
「見つけてもらった時は信じられなかった。」
「人生で最も素晴らしい瞬間だ、子供が生まれた時以来の素晴らしい瞬間だった。」
「倦怠と退屈がとにかく一番大きかった。落ち込んでしまうけれど、すぐ気を取り戻して、カモン、そうじゃない、できるんだ。と思うようにした。」
「なによりも、彼の2人の息子のジェームス(26歳)とヘンリー(23歳)心の支えだったという。」
「息子達がいなかったら全く違っていただろう。たぶん、あきらめてしまっていた。」
遭難して発見に時間がかかったポイントは2点あり、
●リスキーな近道をしたこと
●絶望的に立ち往生していたこと。
「今までに道がわからなくなったことはあったが、18日間も遭難したことはなかった。ばかなことをしたものだ。」
「今までサバイバルトレーニングをしたことはなかったが、友達とキャンプした経験は豊富にあったし、40年前にナビゲーションの経験もあった(ので大丈夫だと思っていた)。」
とのことで、反省モードです。
少しの気持ちの油断がここまでの遭難になるとはまさか思わないですよね。日本でもキャンプなども流行っていますし、気をつけたいですね!
ちなみに!!!
離ればなれになっていた犬も、数日後に無事、ペレット氏によって発見されたようです!
捜索打ち切り後も地元議員トニー・ペレット氏は自分の敷地で探し続けたようです。感動的!
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