【父親の死後に生まれた命!?】遺体から採取した精子で体外受精
ニュース
人物
今回はオーストラリアのテレビ番組で特集された死後受精のご紹介です。死後受精にもいくつかのパターンがあり様々な意見もあるようです。皆さんはどう思いますか?
パターン①旦那の承認を生前に取っていた場合
ビクトリア州ミルデューラに住むミシェルさんは、娘のグレーシーちゃんとふたりで暮らしている。実はこのグレーシーちゃん、父親のサイモンさんが亡くなったあと18ヶ月後に誕生した子なんです。
サイモンさんはホジキンリンパ腫を煩い、病がわかった時には奥さんのミシェルさんは既に妊娠中だった。サイモンさんはこの子が生まれるまで生き続けられるかどうか、その後の成長を見届けることは難しいと診断を受けていたのだ。ふたりは何度も話し合いを重ね、ミシェルがシングルマザーになることを知った上で出産を決意。
そして、まず生まれた第一子のチャーリーは未熟児。それはサイモンが亡くなった12時間後だった。しかし、その後チャーリーは3日後に亡くなってしまう。
ミシェルは、今から考えれば、サイモンが先に逝ってしまったことが幸いだったという。
彼は自分の死後も子供がいることをわかっていたからだ。
精子は死後36時間まで生きている、夫の精子を採取して人工授精をすることは現代の科学では可能だ。
しかし、採取すること、人工授精することについては、裁判所の確認が必要になるためだ。サイモンは自分の死後も子供が生まれる事を望んでいたことが確認できるため、精子の採取も人工授精も、裁判所から認可が下りたのだ。
それは、ミシェルとサイモンがふたりで望んだことでした。そして、死後受精で生まれたのがグレーシーちゃんなんです!
パターン②旦那の承認を生前に取っていなかった場合
ブリスベンに住むエイミーは、ある日突然フィアンセのベンが肺炎でなくなってしまった。だが、絶望の中で友人が教えてくれた。
「まだ望みはあるわ、子供や家族を持てる可能性はまだあるのよ。」
『精子は死後36時間まで生きている。』
それからは時間とのレースだった。すぐに、精子を採取してくれる医者を探して連絡し、同時に裁判所にも申請をしたのだ。
エイミーの連絡を受けたブリスベンの医者クルーン氏は語る。
「あの時に、遺体安置所の廊下で裁判所からの連絡を待っていたのを覚えている。」
「正直これが正しいことなのかは私にはわからない。」
「実際に子供を作ろうとしていたとしても、自分が亡くなった後に体外受精での出産を希望していたかは別の問題だからだ。」
「生前に体外受精をしていたからと言って、育てることができない子供を持ちたいか、については死後に受精卵を保存することを望まない男性もいるからだ。」
ベンの場合も精子の採取に関しては間に合ったが、死後しばらく経過していたため、採取はできていても、まだ受精が出来る可能性があるかは正直確実とは言い切れない、と語る。
そしてさらに、次は裁判所に「人工授精をしてよい」という認可をもらう必要がある。それには、フィアンセのベンが、生前にエイミーとの子供を設ける意志があり、明確な合意があったことを裁判所に証明しなければならない。それには、遺言など書面が必要になるが、急死してしまったベンには遺書はない。。。
ふたりは婚約もしており、一緒に結婚式の予定を立て、ハネムーンの計画をして、子供の名前まで考えていた。エイミーの両親と一緒に子供の服を買いに行ったりしていたという。ベンも子供を望んでいたのは明らかだった、しかし証明できるものがないのだ。
現在、ベンの精子はクルーン氏のクリニックで凍結保存され、体外受精の許可を待っている。エイミーの両親も認可が取れるようできるだけのサポートをしたいと語っている。
合法となった初めてのケース
今までも様々な議論がなされてきた中で、初めて合法となったケースは2011年のシドニーのジョスリンさんの訴えだった。
体外受精治療の同意書に署名する前日に事故で夫を亡くしたジョスリンさんは、夫の遺体から取り出した精子を使って子どもをつくることを裁判所で認められた。もともと体外受精をしようと話し合い、前年8月6日に同意書を提出する予定だったが、夫のマークさんがその前日に、職場の事故で亡くなってしまった。夫の精子は遺体から採取され、ジョスリンさんはそれ以降、体外受精の権利を得るために法廷闘争を続けてきた結果、2011年5月に始めて裁判所で認められた。
ただ、ニューサウスウェールズ州ではドナーの同意なく体外受精を行うことが禁止されているため、ジョスリンさんは州外で体外受精治療を行う必要があった。
QLD州でも合法のケースが
ブリスベンで初めて認められたケースがアイラさんだ。ボーイフレンドだったジョシュア・デイビスさんが2016年8月に突然自死した後、ジョシュアさんの精子を冷凍保存した。死後に精巣と精子を採取するのは合法と認められ、デービス氏が生前に子どもを望んでいると発言していたと宣誓供述書で証言。一度は熟考する時間を持つべきとの見解が出されたが、2018年6月20日、ブリスベンの最高裁判所で体外受精を認める判決となった。
2019年には、出張中に心臓発作で急死した夫の遺体から精子を採取したケースで、ふたりの間には既に2才の子供がいたが、亡くなった男性が第二子を希望していたことを双方の母が証言したことで、人工授精をしてよいという認可が下りたのだ。
日本では?
日本では、死後受精は認められておらす、まだ立法にも至っていない。
医療技術がどんどん進歩する中、生命倫理学的視点からの考え方や、社会的合意、日本的な特徴など議論が必要とされている中で、民法など法整備が大きく遅れをとっているのが現状です。
法律的な手続きが整っていないことよりも、倫理的な問題も大きい気もします。
実際に自分が父親の同じ立場にたったらどうするのがベストなのか本当に悩ましいですね。。。
まさに上記もしている医者の言葉の通りですね。
「実際に子供を作ろうとしていたとしても、自分が亡くなった後に体外受精での出産を希望していたかは別の問題だからだ。」
「生前に体外受精をしていたからと言って、育てることができない子供を持ちたいか、については死後に受精卵を保存することを望まない男性もいるからだ。」
なんだか他人事にも聞こえてしまうかもしれませんが、母親の覚悟、意思に従うのがベストでしょうか。
個人的には死後受精までして産む決意をする母親の強い気持ちには尊敬しかありません!
ここまで強い気持ちを持った母親の子であれば、立派に育つはず!
なんて思ってしまいます。
もっと言うと、
ものすごく楽観的に捉えれば、「親はなくとも子は育つ」という言葉もあるくらいですから、気にすることでもないのかも!?男なんてちっちゃなもんですからね。笑
皆様はどう思いますか〜!?
オーストラリアの特集映像
【ロケや映像使用を御希望の制作会社の方へ】
お気軽に弊社は東京オフィス(03-5437-5546)・嶋田までご連絡下さい。
東京で直接お会いして打ち合わせが可能です!
嶋田祐(Yu Shimada)
東京オフィスマネージャー
03-5437-5546