【世界遺産グレートバリアリーフ】サンゴの人工授精・移植

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【世界遺産グレートバリアリーフ】サンゴの人工授精・移植
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昨年、こちらのビッグニュースもあった世界遺産のグレートバリアリーフ!
【世紀の新発見】高さ500メートルの巨大サンゴ礁が見つかる

 
今回はそのグレートバリアリーフの「サンゴ移植」のプロジェクトのご紹介!
海水温の上昇などによるサンゴ礁の白化現象が報道されていますが、復元と再生に向けてのプロジェクトが進められています!

 
グレートバリアリーフ・ファウンデーションでは、タウンズビル海洋研究所や、クイーンズランド大学、サザンクロス大学、グリフィス大学、ニューサウスウェールズ州立大学などの大学の研究室などと協力し、既に100以上のリーフで保護と再生に取り組みが進められています。その中で、今回はロボットの活用や人工受精など最新の状況をご紹介したいと思います。

 
大きくは以下になります。

 
●サンゴの人口受精プログラム
●ポートダグラスで幼生をリーフに移植
●人工のサンゴ土台を使うサンゴ再生ガーデン

 

 

サンゴの人口受精プログラム@ケアンズ沖

・新月の産卵時に浮遊した卵を集めて人口受精。
・6-9ヶ月後に約2cmになるまで育ててトレイに付けて移植。
・受精卵を水中ロボットでサンゴに蒔く試みも。

 
443ミリオンドルをかけた6年の再生プロジェクトの中の一環として人口受精プログラムがスタート!
ケアンズ沖のVlasoff Reefでは、水中ロボットを使った試みも行われています。

 
まずはイケスの中で人口受精。

 
受精卵を育てた後にトレイに取り付けています。

 
自動操縦の水中ロボットで海中にサンゴを蒔いていきます。

幼生を水中散布するロボットLarvalBotの映像がこちら。

 

幼生をリーフに移植@ポートダグラス

・サンゴの幼生を各所のリーフに数年かけて移植するプラン。
・今年3月には、10万個予定のうち5000個を5つのリーフに移植。
・18ヶ月後で85%の再生率を達成している。
 

ケアンズ近郊のポートダグラスでも、サンゴの幼生をリーフに移植する取り組みが行われており、今年からは、ステンレスのクリップを使って移植する新方法を採用しています。大学の研究室で考案された方法で、今までの10倍の速さで作業できて、コストも安くできるそうです。

 
カナヅチとステンレスのクリップでサンゴを打ち付けています!

 

 

人工のサンゴ土台を使うサンゴ再生ガーデン@フィッツロイ島

・18のリーフに144のセメント土台の無節サンゴモステーションを設置。
・設置後の順応/成長をリサーチ。
・今後もサンゴ礁の土台として活用の研究が進められている。

 
今後は海で温暖化や酸化が進むことが考えられることから、サンゴ礁の土台となる無節サンゴモと言われる海藻を人工のセメント土台に設置する取り組みも行っています。無節サンゴモは石灰質で構成される石灰藻で、サンゴ礁そのものを形成する造礁生物で、サンゴやウニ類などの幼生の着底・変態を誘引する生物で、環境への順応性が高いと言われています。

 

 

その他、現在進行形のプロジェクト

 

●自動操縦のロボットCOTSbotででヒトデを駆除!
サンゴの天敵、ヒトデの駆除をロボットで!ターゲットを探して検知し、一撃でしとめています。軍用機のようですね!

 

●自然に戻る薄いフィルムでサンゴを日光からカバー
自然に戻る素材でできた薄いフィルムを海にうかべて、サンゴにあたる日光を3割減らすことで白化を防ぎます。

 

●サンゴの成長を促すプロバイオティクスの研究

 

●生息状況のリサーチに、水質酸化センサー付きの調査船を起用

 

●3Dマッピングで現状を把握
調査船で得られたデータから3Dマッピングを作成します。

 

●ラボではストレステストで、日光、温暖化の影響を研究

 

●サンゴを凍結保存して種の保存も

 

いやー、、、本当に沢山の活動がありますね!これでも一部です。オーストラリアは動植物の保護や環境維持には特に力を入れていることもありますが、改めてグレートバリアリーフの尊さを記事を書きながら感じました。コロナが収まれば、是非、実物を見に来て頂きたいです!

 

それまではリモートロケで是非、いかがでしょうか!?

 

参照元:Great Barrier Reef Foundation, Reef Restoration Foundation

 
 

【グレートバリアリーフでのロケを御希望の制作会社の方へ】

現時点ではまだ簡単に入国が出来るわけではなく、規制がある状況ではありますが、撮影事情としては活発に動いています。
こちら(↓)の記事をご参照ください
【続報・コロナ禍の撮影事情】QLD州で撮影ブームが到来!

 

もともと、オーストラリアは固有の動植物の保護や環境維持のため、検疫措置は非常に厳しいです。ですが、裏を返せば、そんなオーストラリアで撮影できる、ということは安全と意味でもあります。適切な手配、対応、許可申請を進めればロケは気持ちよく出来ます!

 

お気軽に弊社は東京オフィス(03-5437-5546)・嶋田までご連絡下さい。
東京で直接お会いして打ち合わせが可能です!
SHIMADA
嶋田祐(Yu Shimada)
東京オフィスマネージャー
03-5437-5546