地球ドック ~宇宙から今の地球を健康診断
今回はテレビ東京開局50周年記念特番「地球ドック」の撮影をお手伝いをさせて頂きました。この番組ではJAXA(宇宙航空研究開発機構)の協力のもと、衛星写真で映し出される地球の自然破壊に着目し、レポーターが直接現地に飛んで、今、何が起きているのかをリサーチし、現地の人々の声や、自然破壊を食い止める為に活動する人々をレポートしました。そして「我々は今何をすべきか」を宇宙とスタジオで考えていこうという番組でした。
世界各国でのロケを行う中、オーストラリアで取り上げられたトピックは「コアラ」。オーストラリアを代表する人気者のコアラですが、現状は生息地の減少、病気の蔓延、交通事故や犬猫に襲われる事故の多発などで、危機的な状況に陥っています。
これまでにも弊社では多くの番組で、この問題を取り上げた番組撮影のお手伝いをさせていただいており、関係者との良好コネクションを活かして、様々な撮影を行って来ました。
今回新しい切り口だったのが山火事とコアラの減少の因果関係に着目した点でした。オーストラリアでは度々、大規模な山火事が発生しニュースになります。これは元々はユーカリが発火生の植物である事から、古来から山火事の原因となってきたことに起因する物ですが、近年の地球温暖化や気候変動により、その規模や頻度が大きく変わって来ています。その為、山火事で死んでしまうコアラや、生息地を失くしたコアラが火事の後に死んでしまう件数が増加しているのではないかと言う見解でした。
この見解を立証する為に、今年NSW州で発生した大規模火災地にレポーターの久本雅美さんが飛び、火災現場と、近くのコアラ病院での取材を敢行。取材中にも鎮火したと思われていた場所が、強風で煽られ再発火するという非常事態の中、まさに今そこで起きている問題をレポートして行きました。
コアラは山火事や宅地開発、道路工事で徐々に住処を失い、自動車や犬などの攻撃に怯えて暮らし、ストレスが原因で引き起こされる数々の病気に悩まされています。これらの原因で年々、野生のコアラの生息数は確実に減少し、今では絶滅が危惧されるまでになっています。
しかしながら、人間に住処を奪われる一方で、その動物達を助ける為に、自分の生活を犠牲にして保護活動に携わる人達もたくさんいらっしゃいます。番組ではコアラ保護の為に奔走する人々の活動も取り上げました。
レポーターが、日本で最も忙しいタレントさんの一人である久本さんなので、今回のロケは時間の無い中で、2度に分けて行い、かなりタイトなスケジュールとなりました。加えて野生動物,自然現象を撮影するということで、スケジュール的に懸念があったのですが、これまで多くの動物番組のコーディネートを手掛けて来た経験と、専門家の方達との関係が十分に活かされた撮影となりました。一方では、新しい方達との出会いもあり、過去の撮影でも撮れなかったような貴重な映像を、たくさん収めることができました。
保護活動を行っている方々の願いは「一人でも多くの人々に、この現状を知ってもらい、それぞれが何が出来るのかを考えて欲しい」と言う事です。今回の撮影を通じてそのお手伝いが出来たことをコーディーネータートしてうれしく思っています。ありがとうございました!
番組へのリンクはこちら
↓ ↓ ↓
http://www.tv-tokyo.co.jp/earthdock/