【超自伝的記憶】人生のすべてを覚えている?!

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【超自伝的記憶】人生のすべてを覚えている?!
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全ての日々を細部まで思い出せる

クイーンズランド州ローガン市に住むベッキーは26歳。生まれてからの全てを覚えている超自伝的記憶の持ち主

赤ちゃんの時からの食べたもの、着ていた服、天気、見た夢までも細部まで思い出すことができる。

いわば現実のトータル・リコール人間だ

 

ベッキーの最初の記憶は、自分が生まれた日毛布に包まれて母に抱きかかえられ、足にクリップが付いていた。
母から、それはあなたが生まれた日よ、と言われた。その時の、そしてその少し前の感情も覚えている、
胎児の姿勢で、その姿勢でいるのはストレスだった、自分自身をつかんでそのまま一緒に絞り込まれるような感覚だった。

 

TVのインタビュアーが、2008年11月5日に何が起こったかを聞くと、まず曜日が出てきて、その日のニュースでオバマが大統領になったとスラスラと答える。2005年の4月3日は、ローマ法王が亡くなって、その1週間前がイースター復活祭だったから、家にチョコレートが残っていた。味まで思い出すわ、と語る。

 

決して忘れることができない

全てのことを覚えていて、イヤなことも忘れることもできない。
常にその記憶に苦しめられてきた、常に過去の記憶にさいなまれ、向き合って生きることが辛いとも感じていた。
そしてそのことがベッキーを自閉症へと追いやっていた。
ベッキーはいままで、自分の記憶力がとても特別なものだったとは気がついていなかったのだ。

 

「やはり10代の頃が一番つらかった。子供は時には残酷で心ないことを言いますよね。言われたこと、されたこと、傷ついたことが全て記憶に残っていて蘇り続ける。外に出かけて楽しいはずなのに、突然、7歳の時に飴を取りあげられた記憶が出てきて、涙が止まらなくなる。
その時に経験した感情をもう一度生きなくてはならないんです。」「自分の頭の中で起こっていることは、人に話す必要はないと思っていた。
息を吸うのと同じようにこれが普通だと思っていました。

 

 

超自伝的記憶 HSAM

ベッキーさんはオーストラリアで初めて、そして、唯一人の超自伝的記憶の持ち主と診断されている。
(超自伝的記憶:HSAM, highly superior autobiographical memory)
彼女はハリー・ポッターが大好きで、本の内容も全巻すべて覚えている。
どの部分でも一字一句をスラスラと言うことができるのだ。

 

ベッキーさんの母親は、彼女は自閉症があって細かなことも正確。全ての記憶を持つ娘と住むのは、とても難しいと話す。
母親もいままでは、娘が些細なことでも覚えていることについて不思議に思っていた。
「娘は時々私に質問してきて、昔と今の反応を確かめるんです。何年の前のことなので、私は何を言ったかは覚えていない。
私が答えると、娘からは前と違う答えだと言われる。前と言っても5年前のこと。

娘からは、なんで覚えていないの、自分が言ったじゃないの、と言われる。

娘にとっては、忘れることが奇妙と思っていたのです。

 

2011年にこの番組で、アメリカに住む同じ能力を持つ女性について放送された時に、
母親はこの番組見て、自分の娘も同じかもしれないと思った。その時は世界で10人しかいないと言われていた。
「娘は常に過去の記憶と闘っていたので、この謎を解明してくれたら、この記憶スイッチをオフにしてくれたら、と思った。」
と母親は語る。娘のベッキーもこの番組を見たが「何がそんなに特別なのかよくわからなかった。みんなできるものだと思っていた。」

 

 

 

アメリカUCLAのCraig Stark教授は、このケースについて11年前から研究を行っている。
現在の診断では世界で60人がこの自伝的記憶を持っているが、ベッキーは自閉症も持っている唯一の人という。
「まだまだわからないことがたくさんあります、生まれ持った能力なのか、それとも後天的なものなのか。」

 

「脳が大きいとか、もっと活発な働きをするのかとも思っていましたが、
我々の脳と比べると脳の各所部分へのコネクションが多いようです。」「ベッキーのような能力を持っている人が今後、

脳の秘密を解き明かしていくであろうと確信しています。

その原因を知ることによって、他の脳の症状、心的外傷後ストレス障害や認知症、

鬱など、今後の治療への重要な糸口になると思います。」と教授は言う。

 

ベッキーは現在、アメリカUCLA、オーストラリアのクイーンズランド大学の研究チームとも協力し、記憶のしくみの解明に取り組んでいる。
今まではこの能力については悲観的で、良いことだとは思っていなかったが、今は楽観的に捉えるよう訓練している。
生きている人生の中で良いことに目を向けて、過去の記憶に囚われないようにしています。

 

 

周りからスーパーパワーと思われるのは、正直いまでも不思議だと言う。
同じ能力をもつアメリカ人、マーキーさんと会って色んなことを話す機会が持てたのがとても心の助けになったという。
共感することばかりで、やっと自分を理解できる人と会えた、私だけではなかったと。

 

 

 

オーストラリアでの特集映像

 

 

抜粋元:クイーンズランド大学, dailymail,sevennews

 

 

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嶋田祐(Yu Shimada)
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